🌍 中東情勢は依然不安定も、市場は次の焦点をFOMCへ
イラン劣勢で和平観測も、為替・株式市場は静観ムード
中東では依然としてイスラエルとイランの軍事的緊張が続いていますが、ロシアのプーチン大統領に続き、米国のトランプ大統領も停戦に向けた調停姿勢を見せ始めました。トランプ氏はG7サミットを早期に切り上げ、中東問題への関与を強める構えで、早期停戦への期待感も広がりつつあります。
軍事的にはイスラエルが空の支配権を握っており、イランは反撃手段に乏しく、防衛に苦慮している状況です。イラン側が「体面を保った形での終戦」を模索する段階に入る可能性も意識されており、マーケットではイランが“いつ降伏宣言をするか”が新たな注目点となっています。
💱 相場は冷静さを維持
原油・金は高止まり、ドル安は継続中
中東の戦火にもかかわらず、為替市場や株式市場の反応は落ち着いたものに留まっています。
原油と金は依然として高値水準で推移していますが、リスク資産に対する過剰な警戒は見られず、ドル相場はむしろドル安トレンドを維持中です。
日銀は本日、政策金利を現行の0.50%に据え置くとともに、国債買い入れの段階的縮小(2026年4月より四半期2000億円減)を発表しました。これは市場の事前予想と一致しており、サプライズはありませんでした。
🇺🇸 次の注目は米FOMC
据え置き確実も、パウエル発言に注目集まる
現在、市場の関心は米FOMCにシフトしています。政策金利は据え置きが100%織り込まれており、焦点はパウエル議長の会見内容に移ります。特に、**「関税がインフレに与える影響」や「年内利下げ見通しとの整合性」**がキーポイントとなります。
市場では年内2回の利下げが織り込まれている状況ですが、パウエル氏がこれにどう応じるかで、ドル相場が再び動き出す可能性があります。
📊 本日の注目指標(21:30~)
以下の米国経済指標が発表され、市場の反応が注目されます:
- 小売売上高(5月)
- 予想:前月比▲0.6%(前回:+0.1%)
- 自動車・ガソリン除く:+0.3%(前回:+0.2%)
- 輸入物価指数/輸出物価指数(5月)
- 鉱工業生産(5月)
- 前月比:±0.0%(前回:±0.0%)
- NAHB住宅市場指数(6月)
- ドイツZEW景況感指数(6月)
- カナダ国際証券取扱高(4月)
- 香港雇用統計(5月)
これらを通じて、米ドルの流れに変化が出るかが今夜の最大の焦点です。
📝 まとめと戦略視点
- G7は共同声明で**「イスラエル支持」「イランを不安定要因」と名指し**し、政治的にはイラン包囲網が構築されつつあります。
- イランが外交的に退く姿勢を見せた場合、リスクオンへ急速に転換する可能性もあり、そのタイミングを見極めることが重要です。
- 本日21:30発表の米小売売上高を起点に、FOMC通過までのドルの動きに備えて柔軟なポジション管理を心がけましょう。