💬【FXマーケット展望|2025年5月30日(木)】
関税政策に揺れるドル相場、反発は一時的か?
🇺🇸 米関税措置に司法ブレーキ|ドル買い・リスクオンの流れ
米通商政策に新たな転機が訪れました。
米国貿易裁判所が、トランプ前政権の世界的な関税発動(4月2日発動分)を「違法」と判断し、10日以内の是正命令を政府に求めました。
この報道を受けて、市場はリスク選好モードへ。
ドル円は一時的に146円台を回復、ドル指数も短期レジスタンス(10・21日移動平均線)を上抜けする場面が見られました。米株・米債利回りも上昇基調を示し、欧州市場に先んじてリスクオンの流れが広がっています。
⚠️ 対中政策の緊張感は依然継続
ただし、一方での地政学リスクと政策強硬姿勢は重し。
- 米国は、中国向けの半導体設計ソフト販売制限を検討
- 一部ハイテク輸出の一時停止、ビザ基準見直しなど、対中圧力を強める動きが明確化
さらに、トランプ政権側は今回の判決を不服として控訴の構え。
通商政策の不透明感は払拭されておらず、ドル買いがどこまで継続できるかには疑問符がつきます。
📅 本日の主要イベント
時間帯 | 経済指標・イベント | 注目度 |
---|---|---|
21:30(日本時間) | 🇺🇸 実質GDP改定値(Q1) | ★★☆(影響限定) |
21:30 | 🇺🇸 新規失業保険申請件数 | ★★★(雇用市場の直近トレンド) |
深夜 | 🇺🇸 中古住宅販売成約指数(4月) | ★★☆ |
深夜 | 🇺🇸 7年債入札(440億ドル) | ★★☆ |
その他 | 🇿🇦 南アPPI、政策金利/🇨🇦 経常収支/🇧🇷 雇用統計 | ★☆☆(局所影響) |
また、以下の要人発言にも注意が必要です:
- バーキン(リッチモンド連銀総裁)
- グールズビー(シカゴ連銀)
- クーグラー(FRB理事)
- ベイリー(英中銀総裁)
- デイリー(サンフランシスコ連銀総裁)
米株後には赤沢再生相の訪米報道や、日米通商交渉の新材料が出る可能性もあり、要人コメント・ヘッドラインリスクには引き続き警戒したいところです。
🔍 ドル円短期見通し
現在、短期的にはドル高方向への調整が進行中ですが、
背景にある通商問題・インフレ鈍化・財政不安を踏まえると、
構造的なドル売りの流れは完全には払拭されていません。
👉 戦略:
- 戻りがあればドル円は145.80〜146.20での売り構築を検討
- 146円前半は心理的節目、定着できなければ反落余地大
- 欧州勢の動き出しとNY指標後の値動きを確認し、引き続きショート優勢で警戒継続