ドル売りは一過性で終わらず|米国離れの構図とリスク選好のせめぎ合い
🔍 市場の全体像
週明けの為替市場は、先週のリスクオフ一巡後、ドル安基調がじわりと再開。
背景にあるのは、一時的な「米国売り」ではなく、**中長期的な資金の分散(=米国離れ)**への動きが強まっている点です。
特に注目されたのは、トランプ前大統領による対EU関税の発動時期を7月9日へ延期した報道。
このタイミング調整が市場心理を落ち着かせ、本日はリスク選好ムードへと若干傾いた印象です。
💱 通貨の注目動向
- ドル/円(USD/JPY)
全体としてはドル安トレンドが続くなかで、株価動向に連動して円売り圧力も残存。
逃避通貨としての円は一服しており、クロス円は全体的に堅調。
ただし、上値は144円台前半で重くなる展開。 - ユーロ/ドル(EUR/USD)
ドル安圧力に支えられ、ユーロは1.13台を維持。
一方的な買いには慎重ながら、米国回避資金の流入先として意識されつつある側面も。
今週はインフレ指標を控え、ポジション調整が入りやすい局面。 - ユーロ/円(EUR/JPY)
ドル主導でのユーロ買いが波及し、ユーロ円は堅調に推移。
リスクオンムードが続く限り、162〜163円台での安定推移を見込み。
🌐 ファンダメンタルズと本日の環境
- 米国の財政不安・関税圧力・利下げ観測といった要因が引き続きドルの重しに。
- 各国政府・市場参加者は、トランプ前政権の外交スタイルを警戒しつつも、「慣れ」が広がっており、ショック型から構造型の反応へ。
- 一方で、本日はロンドン・NY市場が休場のため、流動性が極端に低下。
→ 方向感が出にくく、突発的な値動きに注意
📝 本日の戦略まとめ(5月26日)
通貨ペア | 戦略 | コメント |
---|---|---|
USD/JPY | 弱含み | リスク選好時の円売りがあっても、ドルの戻りは限定的 |
EUR/USD | 押し目買い | 米国回避の資金が流入する構図に変化なし |
EUR/JPY | 継続ロング | 株高×ユーロ堅調でクロス円は押し目買い優位 |
GBP/USD | 様子見 | 指標発表待ちのレンジ。短期逆張り向きの地合い |
✅ まとめ
- 米国の政策リスクを受け、ドル安トレンドは一段と定着の兆し。
- ただし、株高によるリスク選好が円安要因として相殺効果もあり、クロス円中心の動きが目立つ構成に。
- 本日は海外市場が休場で薄商い+流動性低下の警戒日。
一方向の値動きには注意し、飛びつきエントリーは避けたい一日。