158円台のドル円、次の一手は米物価指標から

週間損益:−7,131 USD|10月5日〜9日の振り返りと10月12日〜16日の見通し

上昇再開か、157円台への押し戻しか

来週のドル円は、158円台半ばを突破して上昇を続けられるか、それとも157円台へ調整するかが焦点となります。その分岐点になりそうなのが、米消費者物価指数(CPI)と小売売上高です。

物価や消費の数字が強ければ、追加利上げへの期待が米金利を押し上げ、ドル買いにつながる可能性があります。一方、弱い結果が続けば、これまで積み上がったドル買いが巻き戻される展開も考えられます。

ただ、指標の強弱だけで相場の方向が決まるとは限りません。発表後の米金利がどう動き、その動きにドル円がついていくかを確認したい一週間です。

先週はドル優勢、それでも158円台半ばには壁

10月5日〜9日は、フランスの財政や政治を巡る不安からユーロが売られ、ドル買いがほかの通貨にも広がりました。

ドル円は157円台から158円台へ回復。高水準の米長期金利に加え、日銀が早期の追加利上げに積極的な姿勢を示さなかったことも、ドル円を支える材料となりました。

もっとも、158円台半ばでは上昇の勢いが鈍っています。円安に対する当局の牽制が警戒され、買いを進めにくい面もありました。底堅さは見られるものの、上値を追うには新たな材料が必要な状況です。

ユーロドルは一時1.1161ドルまで下落しました。週末には買い戻されたものの、フランスの国債や財政を巡る懸念は解消していません。

米CPIは総合指数とコアの違いに注目

14日に発表される9月の米CPIが、来週の最大の注目材料です。総合指数の市場予想は前年比3.6%で、前月の3.4%から伸びが加速すると見込まれています。

確認したいのは、物価上昇がどこから来ているかです。エネルギー価格が総合指数を押し上げている場合と、食品・エネルギーを除くコアにも上昇圧力が広がっている場合では、金融政策への影響が異なります。

予想を上回る結果なら、追加利上げを意識した米金利上昇とドル買いが進む可能性があります。反対に、物価の落ち着きが確認されれば、ドル高を修正するきっかけになり得ます。

いずれの場合も、最初の値動きだけで判断せず、内訳と金利の反応を合わせて見ておきたいところです。

小売売上高では「金額の増加」の中身を見る

15日は米小売売上高と生産者物価指数(PPI)が予定されています。CPIに続いて、消費と物価の両面から米経済の状態を確認する日になります。

小売売上高では、総額の増減に加え、ガソリンなどを除いた項目にも注目します。燃料価格が上昇すると、購入量が増えていなくても売上金額が膨らむことがあるためです。

CPIと小売売上高を合わせて見ることで、物価圧力が残るなかでも消費が維持されているのか、それとも景気の減速が進んでいるのかを判断しやすくなります。月末のFOMCに向けた市場の見方も、この二つの指標によって変わる可能性があります。

燃料供給のニュースは、実行状況まで確認

先週は、ロシア産軽油の供給拡大も市場の関心を集めました。

9日、トランプ米大統領は、プーチン大統領が30万トン以上の軽油を直ちに世界市場へ供給し、11月にさらに50万トンを追加することに同意したと発表しました。これを受け、同日の取引終了時点で軽油先物は約4%下落しています。

ただし、初期の供給量で世界の需給が大きく改善するかについては、専門家の慎重な見方もあります。追加供給はロシアの製油所の稼働状況にも左右されるため、発表された数量がそのまま市場に届くかを見極める必要があります。

ウクライナは、輸出収入がロシアの戦費につながるとして反発しています。製油所への攻撃が続くなか、実際の輸出量や今後の制裁措置も確認すべき材料です。

燃料価格の下落が続けば、将来のインフレ懸念が和らぎ、米金利やドルを押し下げる可能性があります。一方、供給が計画どおり進まなければ、価格下落への期待が後退することも考えられます。

なお、軽油と原油では需給の構造が異なります。軽油先物が下がったことだけを理由に、原油やカナダドルも同じ方向に動くと判断するのは避けたいところです。

また、来週の9月CPIは今回の供給合意より前の物価を集計したものです。発表される実績値と、供給拡大による今後の物価見通しは分けて考える必要があります。

ドル円は価格水準と金利上昇の理由を確認

ドル円の目先の判断点は、158円台半ばを上回った後も、その水準を維持できるかです。反対に、158円を割り込んで戻りが弱くなれば、157円台への調整が意識されます。

米金利については、上昇した理由にも注意します。金融引き締めへの期待による上昇と、財政への不安から国債が売られた結果の上昇では、ドルへの影響が同じとは限りません。

国内では、15日の小枝日銀審議委員の発言と、16日の植田総裁の挨拶に注目です。総裁の挨拶は内田副総裁による代読が予定されており、追加利上げへの姿勢に変化があるかを確認します。

欧州通貨は財政、豪ドルは雇用が焦点

ユーロは、フランスの予算案を巡る対立と国債への警戒が引き続き重しとなります。買い戻しが入っても、ドイツとフランスの国債利回り格差が再び拡大するようなら、上昇の持続には慎重な見方が必要です。

ポンドは追加利上げ観測に支えられる一方、英国の財政不安も抱えています。英金利の上昇が金融政策への期待を反映しているのか、国債への懸念によるものなのかを見極めたいところです。15日の英国GDPや生産関連指標では、景気の耐久力を確認します。

豪ドルは、13日のRBA議事要旨と15日の雇用統計が注目材料です。雇用が強ければ追加利上げへの期待が残りやすく、弱ければ利上げ終了を意識した売りにつながる可能性があります。

加ドルは、9日の雇用減少を受けて景気への懸念が強まっています。原油価格と米加の貿易摩擦も踏まえ、買い戻しが続くかを確認します。

南アフリカ・ランドについても、高い米金利が上値を抑えやすい状況です。国内金利に加え、世界的なリスク回避の動きにも目を向けます。

来週のイベント一覧

日付は日本時間です。

日付主な予定
10月12日(月)日本はスポーツの日で休場、米債券市場も休場
10月13日(火)日本企業物価指数、RBA議事要旨
10月14日(水)米CPI、中国貿易収支・物価統計
10月15日(木)豪雇用統計、英国GDP、米小売売上高・PPI・新規失業保険申請件数、小枝日銀審議委員の発言
10月16日(金)植田日銀総裁の挨拶(内田副総裁代読)、米輸出入物価指数、FRB議長の発言機会

※予定は変更される場合があります。

週間損益は−7,131 USD。次の取引は根拠を組み直す

10月5日〜9日のトレードは、週間合計−7,131 USDとなりました。

来週は損失の回復を急がず、米CPIと小売売上高を受けた金利・為替の方向が続くかを確認してから取引を判断します。ロシア産軽油の供給についても、発表内容に加えて、実際の輸出と燃料価格の変化を追います。

BTCとNZD/USDの取引結果を踏まえ、買い直しを検討する場合は、前の取引とは切り離して根拠と許容損失を見直します。短期的に反発しても、日足や時間足の下降が続いているなら、反発だけで判断せず、その後の値動きを確認する方針です。

週明けは日米の休場が重なり、週半ばには重要指標が集中します。取引を増やすことより、方向が確認できる場面を待つことを優先し、複数のポジションを合わせた損失の大きさを管理していきます。

あとがき

相場を見ていると、「昨日も少し寝不足だったけれど、今日も大丈夫」と思ってしまうこと、ありませんか。夜の値動きが気になる日が続くと、短い睡眠に慣れたように感じることもありますよね。でも、その「慣れた感じ」だけで、体調を判断しないようにしましょう。

Van Dongenさんたちが2003年に学術誌『Sleep』で発表した研究では、健康な成人48人を対象に、睡眠を制限する実験などが行われました。そのうち、毎晩ベッドで過ごせる時間を4時間、6時間、8時間に分けて14日間比較した実験では、4時間と6時間の条件で、注意力などを測る課題の成績が日を追って低下しました。

興味深いのは、本人が感じる眠気は、最初に増えたあと、それほど大きく増え続けなかったことです。「昨日と同じくらいの眠気だから大丈夫」と感じていても、実際の課題成績は悪くなっていたんですね。これは実験室での結果で、FXの売買成績を調べた研究ではありません。それでも、寝不足を自覚だけで判断しないための、大切なヒントになります。

では、どのくらい眠ればよいのでしょうか。米国疾病予防管理センター(CDC)は、18〜60歳では7時間以上、61〜64歳では7〜9時間、65歳以上では7〜8時間を目安にしています。ただし、時間を満たせばそれで十分というわけではありません。夜中に何度も目が覚める、朝起きても休まった感じがしない、といった睡眠の質にも目を向けましょう。

まずは数日間、寝た時刻、起きた時刻、日中の眠気を簡単にメモしてみてください。トレード記録と同じように、書き残すと、感覚だけでは気づかなかった傾向を振り返りやすくなります。「米国の指標を待った翌日は眠い」「夜中に何度も相場を確認している」など、自分の生活を見直すきっかけにしましょう。

そのうえで、夜に確認する材料を絞ったり、翌朝に回せる確認は翌朝に回したりして、休む時間を確保しましょう。就寝前は画面から離れ、午後から夜のカフェインを控えるなど、できることを一つずつ取り入れてみてください。眠れない状態や強い日中の眠気が続くときは、我慢せず医療機関に相談しましょう。

相場には毎週、新しい材料が出てきます。全部を追い続けようとせず、自分が無理なく続けられる範囲を大切にしましょう。来週も、資金の管理と一緒に、睡眠と休息の管理にも気を配っていきましょう。

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